溶けます!
だって炭「酸」飲料だもの。
コーラの写真コーラには、酸が含まれています。エイリアンの体液と同じ「酸」です。難しい話はさておくとして、あれと同じ物質が含まれている以上、コーラを飲めば歯だろうが、何だろうが溶けるわけです。理論的には。
ネットで調べたところ、コーラの中に魚の骨を漬けておくという実験を試みた人がいたそうです。この場合、4週間後には、骨は跡形もなくぼろぼろになってしまったとか。
といっても、これは漬けおきした場合の話。現実、コーラを口に含んで4週間過ごす人間はいませんよね。どんなにコーラ好きであっても、そのまま眠りにつくわけにはいきません。人間の口の中では、常に唾液が分泌され中性に保たれていることを考えれば、不可能に近いと言っていいでしょう。
結論。コーラを飲むと歯は溶ける。でも、すぐには溶けない。
案ずるものではありません。人間は誰しも死を免れることはできませんが、かといって、すぐに訪れるものでもありませんよね。それと似たようなものです。
解けない「謎」。
しかし、依然として疑問は残ります。なぜ、そんな噂がはやったのでしょうか。コーラが日本で初めてCMされたのは1962年のこと。以後テレビの普及に伴い、爆発的にはやりました。私が調べた限りでは、この都市伝説が囁かれるようになった時期は、このコーラの流行に重なっています。
「コーラ買ってよ、コーラ」。この時代は、どこもかしこも、そんな子供だらけだったに違いありません。だとすれば、子供に対する親側の戒めの言葉として生み出されたと考えるのが正しいのではないでしょうか。「ご飯を残すと、もったいないお化けが出るよ」みたいな。
しかし、今、そうやって子供を諭す親はいるでしょうか。「コーラを飲むと、歯が溶けちゃうんだよ」。言ったとしても、近頃の子供達は可愛くありません。すぐにネットで調べて、解答にたどりついてしまうでしょう。「溶けないって書いてあったよ」なんて言われたら、親の立場が危ぶまれてしまいます。
なので、ここではあえて「溶ける」ということにしておこうと思います。あえて。いつ溶けるかはさして問題ではないのです。今すぐ溶けないからと言って、ガブガブ飲めば太るし、虫歯にもなります。家計も逼迫します。
人生と同じです。今すぐ命が尽きることはないからと言って、ダラダラ生きればいいといいものではありません。
天命を知るからこそ、がんばれる今もある。いつかは「溶ける」ということが大事なのです。たぶん。

(舘澤史岳)

コーラや炭酸飲料に含まれる炭酸水は、弱酸性のため歯や骨の主成分であるリン酸カルシウムやリン酸マグネシウムを溶かす性質をもっています。とは言え、長い時間歯や骨を浸しておけば溶け出すのですが口の中では歯に接するといっても極わずかな時間であるため歯を溶かすことはありません。

ただし、習慣的に摂取する飲食物に含まれる酸により歯の表面が溶けてしまう酸蝕歯という病変もあるので、頻繁に酸を含む飲食物を摂取するような習慣のある方は改める必要があります。もしくは酸を含む飲食物を摂取した時は、水やお茶で口をすすいだりして酸の濃度を薄める事が大切です。また普段からフッ素入の歯磨剤などで歯質を強化する事も重要です。

監修:三宅 亘(三宅歯科医院

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